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このお話は、作者が絵本を制作するにあたって、アイヌの伝承に関して調べていく中で生まれたものです。アイヌに伝わる「日の神(太陽)を烏がたすけた」という話と、カラスにまつわる言い伝え、そして日食にまつわる言い伝えをもとに構成しました。この絵本を読む人にも、カラスに対して少しでも親しみやすさを 感じてもらいたいという、作者の思いが込められています。 |
カラスについて
絵本に登場するカラスは、ハシボソガラスです。アイヌ語で『カララク』、『カララクカムイ』といいます。 カララクは鳴き声、カムイは神を表します。アイヌ民族の中では、カラスにまつわる言い伝えは各地に伝承されています。 カララクは、道に迷った人間に進む方向を教えたり、鳴き声で「何かある」ことを知らせてくれたという言い伝えがたくさんあります。 この絵本では、「カラスが黒くなったわけ」を話の中心に、日食とかかわる言い伝えを話の展開としています。 |
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日食について
日食については各地でさまざまな言い伝えがあります。北海道東部の十勝地方では、『オキナという巨大なクジラが、月や太陽のでるところを狙って飲み込もうとする』といいます。ほかにも悪い黒狐が太陽を襲うとか、太陽が病気になったから日食が起こるのだという地域があります。 日食への対処法もさまざまで、太鼓をたたく、食器をたたく、太陽を元気づける等があります。また水を撒いたり、イナウという祭具を屋根に立てて、太陽の病気がいちはやく治るよう祈りを行うのだといわれています。 普段から身近にあり、人々の生活を見守ってくれる太陽は『チュプ』といい、この太陽が隠れてしまう「日食」は、めったにない非日常のこと。人々が恐れを抱く対象であることが、アイヌの伝承からうかがうことができます。 |
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