オマオマについて
オマオマは、赤ちゃんをなだめる時に口にする「よしよし」のようなあやし言葉ではありません。 オマオマは赤ちゃんに限らず、人の言うことを効かない人に対してわかりやすく言い聞かせたり、その人をなだめる、という意味で使われる動詞です。 本文中の「コタンコロカムイがやってきてオマオマ、オマオマ」を続けて訳すと「コタンコロカムイがやってきて、赤ん坊をなだめになだめました」となります。 |
アイヌ文化の中での動物の神様について
アイヌの人びとにとって、人間に多くの恵みを与えてくれたり、人間がかなわないような強大な力を持つものを、神(カムイ)として敬います。良い神様は、人間の生活になにか協力をするもので、衣類(毛皮)や食べ物を渡してくれたり、時には人間に危険を教えてくれたりします。逆に人間をだます神様もいると考えられています。ただし地域によって考え方や言いかたが違うので、注意してください。
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臼とウワリカムイ
| 臼は火の神様と同じく女性(ニスカッケマ)であるといい、同性の神として敬うことがあります。臼をまじないにつかうことも行われていました。産婦に臼を背負わせて炉の周りを歩かせたり、隣の家まで行きながら老婆たちが臼のなかをつくおまじないもありました。古い臼ほど霊力があるといわれています。 臼の神様に「難産になったので、お産の神様も驚いて困ってます。臼の女神さま、力を貸してください。そうすればこの出産が楽になります」というお願いをしたこともあったそうです。 |
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赤ちゃんの呼びかた
生まれて間もない赤ちゃんは、何も力を持たないと考えられます。アイヌ民族の信仰では、きれいなものは悪い神様に狙われやすいとされます。子供をあまりきれいにしておくと、悪い神様に悪さをされて、無事に育たなくなると考えられました。そのため、長生きをしている女性の着古したやわらかい布にくるんだりして、その女性の力をかりて赤ちゃんをまもったり、あえて汚いものを言う言いかたで赤ちゃんを呼ぶなど、さまざまな工夫で赤ちゃんを守っていました。
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| ※この絵本に出てくるアイヌ語は沙流方言を使用していますが、絵本の中にある子守歌は、構成上の理由で、十勝地方に伝わる子守歌の資料を参考にしています。また、この絵本に描かれたイラストもさまざまな地域の資料を参考にしています。アイヌ民族の衣装や伝統的な家屋の向きなどには、地域差がありますので、詳しいことを知りたい方は、専門書をご覧下さい。 |