理事長あいさつ
理事長あいさつ
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アイヌ民族の誇りが尊重される社会の実現を
イランカラㇷ゚テ。アイヌ民族は、日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語であるアイヌ語を有し、ユカㇻをはじめとする多くの優れた口承文芸、衣服などの工芸品を彩る文様やイヨマンテなど多様で豊かな文化を発展させてきました。しかし、近世、近代の歴史の中でアイヌの人々の社会や文化は深刻な打撃を受け、多くの人々が貧困を余儀なくされ、差別の対象となる状態が続きました。 |
こうした中で、平成9年5月、アイヌ文化を振興し、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現と我が国の多様な文化の発展を図ることを目的とする「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」が制定され、当財団は、国(国土交通省及び文部科学省)及び北海道からの支援を得て、同年6月に発足いたしました。これ以降、アイヌ文化等に関する研究の推進やアイヌ語を含むアイヌ文化の振興、アイヌの伝統・文化に関する知識の普及・啓発を着実に進めるため、様々な事業を全国に向けて展開してまいりました。
平成20年には衆参両院において「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が全会一致で採択され、平成21年にはアイヌが先住民族であるとの認識に基づく総合的なアイヌ施策の確立を謳う「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」報告が取りまとめられました。
平成31年4月には「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」が制定され、同年5月には、当財団が、この法律に規定された業務を行う全国唯一の法人としての指定を受けて、従来からのアイヌ文化振興事業に加え、令和2年7月に開設された「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の管理運営を担うことになりました。
このように、アイヌ政策を巡る状況が展開していく中で、当財団におきましても国及び北海道をはじめとする関係諸機関との連携を図りながら、アイヌ民族の誇りが尊重される社会の実現に向けて、より一層の努力を傾けてまいりたいと存じます。
皆様方におかれましては、アイヌ文化とその振興への知識を深めていただきますとともに、当財団の運営等ついてご支援とご理解を賜れば幸いに存じます。
イヤイライケレ。
公益財団法人アイヌ民族文化財団
理事長 常本 照樹


